スピリチュアル・ハラスメントの痛みと、そこから続く「今」の話

今日は、少しだけ踏み込んだお話をしようと思います。

「スピリチュアル・ハラスメント(スピハラ)」という言葉を、聞いたことはありますか?

わたしは今、占い師として活動しながら、スピリチュアルや瞑想を学んでいます。
けれど、実はわたし自身も、かつてはスピリチュアルハラスメントによって、深く心を傷つけられた被害者の一人でした。

以前の記事でも触れましたが、スピハラは人の心を壊してしまう「呪い」のようなものです。
わたしはそのトラウマを払拭するのに、30代のほとんどの時間を費やしてしまいました。

でも、今はその時間を後悔していません。

仏教に「縁起」という言葉があるように、あの出来事も多くの要素が複雑に絡み合って起こった、ひとつの結果だったのだと思えるようになったからです。

「今、ここ」を生きるためのスピリチュアル

最近の「スピリチュアルビジネス」の考え方に、わたしは少し違和感を感じることがあります。

もしスピリチュアルに「本物」と「偽物」があるとするならば、それは「日常生活に根ざしているかどうか」。
ただ、それだけだと思うんです。

地に足がつかず、日常で活かせないスピリチュアルは、今のわたしには必要ありません。

なぜなら、わたしたちが生きているのは「今、ここ」であり、そこが一番大切だからです。

夢を見ることも素敵ですが、一歩ずつ行動を起こさなければ、夢見た未来はやってきません。
心が弱っている時、わたしたちはつい「大きな力による一発逆転」を期待してしまいがちですが、現実を変えていけるのは、結局のところ、そこにいる「自分自身」だけなんですよね。

毒に染まってしまった日々

わたしがハラスメントを受けていた時、わたしは自分に全く自信がありませんでした。

だから、それが「ハラスメント」であることにも気づけなかったんです。

気づかないうちに毒が体と心に回り、染まってしまっていました。
もしかしたら、その時のわたしは提供側として、誰かにスピハラを行ってしまっていたかもしれません。
今はそれを、とても反省しています。

当時は目の前が真っ暗で、自分が何を言っているのか、何をしているのかさえ分かりませんでした。
ただただ不安で、いつも「すごい」と言われている誰かに答えを、救いを求めていました。

守護天使やガイドが助けてくれないと感じるたびに、裏切られたような怒りで体が震える…。
完全に、スピリチュアルという名の「毒」に侵されていたのだと思います。

長い時間をかけて、呪いを解いていく

「毒だと気づけば、すぐに抜け出せる」と思うかもしれません。

でも、実際はそんなに簡単ではありませんでした。
何年もかけて、少しずつ毒を抜いていく作業が必要だったんです。

呪いを解こうともがくほど、それは体に深く絡みついてきます。
フラッシュバックが止まらず、頭の中で誰かの悪口が響き続ける日々。
怖くて、助けてほしくて、でも誰に伝えても「そんな昔のこと、忘れればいいだけじゃない」と突き放されてばかりでした。

「あなたは悪くなかったんだよ」

その一言を言ってくれる人は、どこにもいませんでした。

些細な言葉という名の「暴力」

スピリチュアルハラスメントとは、精神性を理由にしたマウントや暴力のことです。

「わたしには龍がついているけど、あなたにはいない」

「あなたはエゴだらけだ」

「体調が悪いのは精神性のレベルが低いからだ」

今なら「何言ってるの?」と笑い飛ばせるようなことでも、当時のわたしには、一つひとつの言葉が鋭いナイフのように突き刺さりました。
小さな傷も、何度も重ねられれば深い傷跡になります。

先日、久しぶりに瞑想のトレーニングに参加したのですが、自分でも驚くほど涙が溢れて止まりませんでした。
「もう大丈夫」と思っていても、体は覚えていたんです。
静かに座ると、記憶が洪水のように溢れ出してくる…。

そんなわたしに、先生は気づかないふりをして、そっと見守ってくださいました。
その静かな優しさが、今のわたしにはとても救いになりました。

あなたは、悪くなかった

スピハラは、誰の中にもある「攻撃性」や「傲慢さ」が、スピリチュアルという形を借りて現れた暴力です。
そこからの回復は、とても長い道のりかもしれません。

だからこそ、わたしは伝えたいんです。

「あなたは、悪くなかったんだよ」と。

あの時、わたしが誰かに言ってほしかったこの言葉を、今苦しんでいるあなたに手渡したい。
その一心で、この記事を書いています。

スピリチュアルハラスメントは、無理に乗り越えるものではなく、ゆっくりと付き合っていくものかもしれません。
わたしも一生、この傷と共に生きていくのだと思います。

でも、それでいい。

傷を抱えたままのわたしで、今日も紀の川市のおうちサロンで、あなたをお待ちしています。

タイトルとURLをコピーしました