
「占いを受けただけで人生変わる」と思っている人が一定数いるのは、一部の占い師が「あなたの人生を変えられます!」って豪語してるからだろうな、って。
占いはエンタメ
元も子もないことを言いますが、占いはエンタメなので、すべてを見通すことも、魔法みたいにあなたを変化させる力も持ちません。
占いで未来がわかった、これで安心。なーんてことも、占い通りに行動したから、これで人生はバラ色だ。なーんてことも、ありません。
ここで思い出してほしいのです。
占いはエンタメ。
占い師は、魔術師ではなく、ただの人間。
「ぜんぶ見えます」は、ビジネス文句です。「人生変えます」も、お金を稼ぐためのテンプレです。
あんまり同業者の悪口を言うのもあれなんですけど、同じ占い師として、わたしにも思うところはあります。
わたしにもしぜんぶ見通せる力があって、人生を左右できるほどの占いができたら、宝くじを当てて一生遊んで暮らします。
間違っても占い師になんて、なりません。
ヘビーな状況に対して占いができること
「じゃあ、にっちもさっちもいかないくらいの、このハードモードな人生をどうすればいいの!?」という疑問を抱いた方へ。
また元も子もないことを言いますが、それは幻想です。思いこみです。
あなただけが特別に、ハードな人生を送っているわけではありません。し、その『ハードさ』も、思考でこねこねしてできた『動かないたためのいいわけ』かもしれません。
生きてるだけで苦しみはデフォルトだよ、とブッダは言いました。
同時に、そのなかから一瞬の楽しみを生きることをブッダは説きました。
ヘビーな状況に対して占いができること。それは、そのなかから一瞬の楽しみを見つけるきっかけ作りです。
ハードモードの中に、ほんとうはイージーである部分を探し出します。
変わろうとしなくたって、勝手に変わっていく部分を見つけます。
「なあんだ、自分が執着してただけだったのか」
好奇心を持って心をのそきこむだけで、幻想はほどけていきます。
占い師は心をのぞきこむ伴走者
やめようかな、どうしようかなって、半年くらい悩んでいたことがありました。
ふらっと立ち寄った天神橋筋の占いの館で、その件について話したところ、「根本的に相性が悪い」と言われました。
「なあんだ、そもそも相性が悪いんだ。じゃあ、やめちゃえ」
その占いがきっかけで迷いが晴れて、スパッとやめることができ、こう思ったんです。
「占いで人生は変わらない。でも、小さな選択の背中を押してもらえる機会は貴重だ」
別にその占い師さんは、「やめろ」とも「続けろ」とも言いませんでした。
ただ、占い結果を通してわたしの心を一緒にのぞきこんでくれただけ。笑いながらひとこと、「うわっ、めーっちゃ相性悪いで!!」って言ってくれただけ。
でも、おもしろおかしくツッコミをいれてくれたおかげで、わたしも迷っている自分の心を『悪いもの扱い』せずに済んだんです。
エンタメとしての占いを提供し続けるということ
世の中には、たくさんの占いが溢れています。
派手な宣伝文句に惹かれる時期もあるでしょう。誰だって、しんどい状況のときに自分と向き合いたくないです。
「人生が変わる占いです」
そう言われたら、なんか楽してハッピーになれるかもって思います。
でも、心の片隅に置いといてほしいことがあります。
「人生は、苦しみがデフォルト」
「いかに幸福を見つけるかが、ハードモードとイージーモードの分かれ目」
あなたの心をのぞきこんで、一緒にハッピーを探すのが占いです。
占いで人生は変えられない。でも、占いで楽しくなることは、いくらでもできます。
kigotoでは、これからもそんな占いを提供できたらいいなって思ってます。